2021年2月27日土曜日

前期試験、未来


国公立大学の前期試験が終了!早速昨日は何人か受験生の子たちが来て、試験のことを話してくれた。なかには問題冊子を取り出して「この問題、答え合ってますか?」と聞いてくる子もいて、「心臓強いなー!」と驚いたり。

ともかく、力を出し切って答案用紙を提出したら、あとはもうできることは何も無いので、「人事を尽くして天命を待つ」状態になる。



ところで、入試にはまだ中期試験・後期試験も残っていて、終わったばかりの前期試験の結果は当然まだ出ていないので、今日も受験生の子が勉強に来ている。一番の山場ともいえる試験が終わった直後に、最後のラストスパートでさらに力を振り絞っている。最後の最後まで、どんどん賢く&強くなってほしいなーと願うばかり。

3年生メンバーは、今年は三国丘・泉陽ともに、3月2日が学校の卒業式。1年生の頃の写真を見返してみると、みんな何となく今と比べると幼いような表情をしていて、日々は気づかなくても、3年間でやっぱり大人へと近づいて成長したんだなーと感慨深い気持ちになる。


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Jeffはといえば、前期試験も終わって添削の嵐も一段落したので、入試問題を早速解いたり(『あ、ライティング用に授業で教えた表現が英訳問題で出てるやん!ラッキー!』と喜んだり)、新1年生メンバー向けのチラシを書いたり(早くも新年度が始まろうとしている!!)、自分のやりたかった勉強をしたり。

机にいつも大量の本が置かれているので、たまに「大人でも勉強するんすか?」みたいな質問をされることがあるけど、「激烈に変化が激しい社会になっちゃったから、大人になっても新しいことを学び続ける方が良いよ」とか、「みんな大学生になったら友達たくさん作って、あとはたくさん本を読むべし!」とか言ってるので、個人的にはけっこう楽しくやっている。

というか、大人の人たちは同意してくれる人が結構いるんじゃないかと思うけど、大人になってからの方が、「勉強しとけば良かったー!」とか「これ学ぶの案外楽しいやん」と感じる場面が多い気がする。なぜだろう… 大人になると、本を読みたくても読む時間が作りにくかったりするし、あとは誰からも強制されないという要因もあるかもしれない。

とにかく、個人的には「大学時代に何でもっと本を読まなかったんだろう、こんなにお得に色々教えてもらえるツールはなかなか無いのに」と後悔気味なので、今は本を読めることがものすごく贅沢な気すらする。(こういうことを書くと、何かとっつきにくそうな人とか思われそうだけど、そうでもないはず… なぜか『塾に初めて来る前は、なんか怖い人が先生なんじゃないかと思ってビビッてた』と言われることが多い…。)



それで、今日は添削の合間に、語学学習支援のための言語処理という本を読み進めていた。たとえばTOEFL iBTという英語の試験では、ライティング問題の採点の約半分は、人間ではなくe-raterというシステムによって行われている。また、Grammarlyのように、英文の添削を強烈なスピードでやってくれるサービスもある。

こういった言語処理の裏では機械学習の技術が使われていて、英語の知識だけあってもなかなか理解できない。

たとえば
1) I am interested in science.
2) I am interested on science.

という2つの文、もちろん人間が添削すれば「be interested in の形で使うから、2番は書き換えよう」で済む。

これを機械にやってもらう場合、どうすればいいだろう? 

すぐ思いつくのは"be interestedの後ろに続ける場合は in O という形にする」というルールを機械に教えておくことだけど、そういった文法ルールを全て機械にあらかじめインプットしておくのは大変な作業になる。

そこで、別の方法として、大量の(正しい)英文を機械に読み取らせておいて、そこから判定してもらうという手法が出てくる。

そのなかには、たとえば次のように、be interested inの連続が登場する大量の文が登場するはずだ。
These students are interested in mathematics.
Not everyone was interested in this article.
She should be interested in attending your seminar.
 などなど…

すると、「be動詞→interestedと続いてきて、さらに続いてinという前置詞が登場する確率」と、「onが登場する確率」とを、それぞれ計算することができる。

もちろん、interested onの語順が登場する文も中にはあるだろう。たとえば…
Tom said that he was interested on the stage.
「トムは興味あるよと舞台の上で言った」
みたいに(だいぶ無理して今作ってみた)。

それでも、確率を計算すれば、inの方が圧倒的に多いはずだ。そこで、確率的に、be動詞→interestedの次にonを置くのはかなりレアなケースで、おそらく正しくないだろうという予測が機械にもつくはずだ。

もちろん確率だから100%正確とはいかないけれど、それでもこの方法を使って、かなりの精度でミスを検出できることになる。(以上の説明は不正確かもしれないけど、これで何となくの考え方は伝わるはず。)


と、こうなると「ふむふむ」という感じなんだけど、本を読んでいるとこんな数式が出てきたりして、


これだけで一瞬、本を閉じようかなという誘惑に駆られたりする(『あーもっと数学やっておけばよかった』)。でも、ここでネットを検索すると、こういう数式を説明してくれているサイトがたくさんある(本当に良い時代に生まれた)。


こうなると、英語だけではなくて数学の知識や、統計の知識なども欲しくなってくる。もちろん、こういうサービスを使っている人の画面に表示されるのは「このonはinに直しましょう」というコメントだけなんだけど、そこに行きつくまでに、裏では膨大な処理が行われているというのが面白いし、仕組みが分かると、こういう技術の限界も見えてくる。


…こんなに書くつもりはなかったんだけど、つい書いてしまった。とにかく、こういう技術を活用できるようになると、これからもっと英語の勉強の幅が広がっていくはずだ。ただ、必要な知識やスキルが膨大なので、ちょっとa long way to go (道は長いぞ) 気味なんだけど、たとえばこういう知識がリーディング問題の解説をするときに活かされたりするのが楽しいところだ。


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前期試験までの期間も、たくさんの差し入れをいただきました!

写真に撮り切れていないものもあります。いつも気にかけていただき本当にありがとうございます!!!