今や、高校生の9割以上がスマホでインターネットにアクセスしている。(内閣府『青少年のインターネット利用環境実態調査』)
Jeffが大学生だった頃、キャンパス近くのカフェで友達にiPhoneを見せてもらったときの衝撃は忘れられない。それが、今や小学生だってスマホを持ち歩く時代になってしまった。
そういえば、高校生の頃、音楽はMDに入れて聴いていた。ときどき今の高校生のみんなにMDの話をすると、みんな「何それ?」というキョトンとした顔をしている。
こんなやつだ。
(写真はWikipediaより)
当時、「カセットテープはもう使われなくなって、今後はMD一択の時代だなー」と思っていたのが、iPodが登場し、そして今は音楽はスマホで聞く時代になった。「ポータブルMDプレーヤー」を買う必要もなくて、ただスマホさえあれば、音楽は当たり前のように聞くことができる。
以前は、計算は電卓、写真撮影はカメラ、文書作成はワープロ…と目的ごとに機器を購入していたのが、今や「パソコン」とか「スマホ」という汎用的なデバイスでほぼ全てがカバーされるようになった。
年賀状を印刷するのに「プリントゴッコ」という商品があったというのも、これを読んでくださっている保護者のみなさんならきっと「懐かしい~!」と言っていただけると思うんだけど、高校生のみんなにとっては「え、プリンタで印刷すればええやん」という感じだろう。
書き出すと止まらない…。とにかく、多種多様なものが気づけば置き換わってしまった。
不確実性(uncertainty)というのが、今の時代のキーワードの1つだとずっと思っている。世の中は変化していくし、いま「安泰だ」と思っているものが、10年後にもその座を保っているとは限らない。
でも、だからといって「じゃあ今何を勉強していても無駄ですね」というのは違う気がする。むしろ、何が役立つか分からないから、ひょっとすると「え、こんなスキルが役に立つの?!」という時代がやってくるかもしれない。
最近、数学の話をよく書いているけど、これだって、英語の先生なのに数学が役立つ日が来るとはほとんど思っていなかった。
でも、テクノロジーが進化して、ライティングの採点もコンピュータで行うような時代になると、その仕組みを理解しようと思ったら必然的に数学が登場する。英語表現のミスを検知するのには統計的な手法が使われているし、2つのエッセイが内容的にどれぐらい似ているかを計算するためにはベクトル表現、コサイン類似度、対数…などなど、数学嫌いの人にとっては見るだけで「あー無理!」と言いたくなるようなものが登場する。
ぶっちゃけ学生の頃には「数学はまあ入試では必要だけど、実際には四則演算ができれば十分なのでは」とか思っていた気がするけど、それが思わぬところでいま役に立っている。「高校生の頃の自分、微分とか積分とか頑張ってくれてありがとう」という気持ちもあれば、「大学生の頃の自分、なんでもっと統計ちゃんと勉強しなかったんだよ」という気持ちもある。(ノート持ち込み可の定期試験をギリギリ『可』で乗り切った。)
要は、「これさえやっておけば大丈夫!」と頼れるものが無くなったんだけど、その結果「常に何か新しいことを学ぶ、試す」というのが大切になってきているんじゃないかなと感じる。
Jeffは英語を教えているわけだけど、これから高校生のみんなが生きていくとき、英語そのものが役立つ場面もあれば(たとえば英語能力を評価されて就職が決まるとか)、「英語を使って」新しい知識が増えたり、コミュニケーションがとれたり、っていう道具(tool)としての側面も強いんじゃないかなと思っている。
BBCのニュースで世界のことを知る、YouTubeで英語の動画を見て勉強する、等々、せっかく英語を勉強したみんなには、高校を卒業してからも英語を「使い」こなしていってほしい。(もちろん、英語だって自動翻訳の技術がどんどん進展していって、英語スキルの位置づけは変わっていくだろうけど。)
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お菓子の差し入れを沢山いただいています。
写真を撮れていないものも多くあります。(即座にみんなで食べてしまいました…すみません!)
いつもお気遣いありがとうございます!!