2024年5月30日木曜日

「本当に良くできたぞ!ファイト!」先生


以前に自由英作文の添削アプリを作ったという話を書いたけど、

最近、改めて「和文英訳の添削アプリ」を作ってみた。



"和文英訳" っていうのはちょっと業界用語っぽいけど、

 要は「日本語の文」を「英語に翻訳する」ということ。

自由英作文のように自由度が高い問題の方が書いていて楽しいんだけど、

それには、基本的な表現を英語に変換できるスキルが土台としてあった方がいい。




それで、「和文英訳」って言っても、ザックリ2種類あるんじゃないかなと思っている。

(1)直訳できる問題、(2)それじゃ無理な問題、の2つ。

(2)はどういうやつかっていうと、

例えば全校集会で、校長先生がこんなセリフを発したとしよう:

「みなさん、切磋琢磨、頑張っていきましょう。よろしく!」



・・・これ、直訳するだけだと、おかしなことになる。

たぶん「切磋琢磨って何て言えばいいの?」と思う人が多いだろうけど、

他にも「頑張っていきましょう」を Let's ~ みたいに訳すのだって問題がある。

文脈的に、「一緒に頑張ろう」って意味じゃなくて、

「生徒のみんな、切磋琢磨して頑張ってよね」ぐらいに解釈すべきだろう。

「よろしく!」にいたっては、こんなに日本語では頻繁に使う表現なのに、そのまま英語に置き換えるのはほぼ無理。



たとえば京都大学とか、大阪大学とか、そういう国公立大学の二次試験に、このパターン(2) の和文英訳が多くみられる。

こういう問題は、まずは「日本語の分析」、つまり「要はどういうことが言いたいんだ」っていうところから頭を使わないといけない。

上のセリフなら、こんな感じに書き換えれば、なんとか英語にできそうな気がしてくる↓

「みなさん、互いに励ましあい、競い合って、努力していってくださいね。そうしてくれることを期待していますよ!」

大変だ。





ただ、こうした問題にせよ、自由英作文にせよ、…というかスピーキングを楽しむためにだって、まずは (1)素直に英語に置き換えられる日本語 を、そのまま英語にできる力が前提として存在しないと難しい。

前置きが長くなっちゃったけど、今回は、文法の項目別に、そういう日本語を英語に置き換える練習ができるアプリの試作版を作ってみた。

前回と同じく、AIが添削してくれるんだけど、もとの日本語がシンプルなので、添削の精度も格段に上がってくる。



たとえばこんな問題:

「彼らはその結果に満足しているに違いありませんよ。」



【解答例】は

They must be satisfied with the result. 等

なんだけど、わざと間違って入力してみよう:

They must be satisfy with the resalt




すると、数秒でAIが添削してくれる。

君、エライ!よく頑張ったな!でも、少しだけ直すところがあるぞ!

まず、最初の "They" は大文字で始まっていてOKだ!

次に "satisfy" のところだけど、ここは "satisfied" にしよう。「満足している」の意味だから、過去分詞の "satisfied" が正しい。

それから "resalt" はスペリングミスだな。正しくは "result" だ。

それに、最後にはピリオドを忘れずに!

だから、君の答えを直すとこうなる:

"They must be satisfied with the result."

解説の通り "must be ~" を使っていてとてもいい感じだ!この調子で行こう!



・・・テンション高め。ここは好みが分かれるかもだけど、

なんにせよ、修正すべき箇所は全て指摘してくれている。(文末のピリオドや、文頭が大文字かも含めて添削してくれるように設定している。)





ちなみに、【解答例】以外の答えを入力してみよう:

They are undoubtedly satisfied with the result.
(※ undoubtedly: 疑いなく)

すると:

エライ!その調子だ!

君の答えは正しい!文法的にも意味的にも問題なし!

解答例に出てくる "must be" も正しいけど、君が使った "undoubtedly" も素晴らしい翻訳だ。

文の最初の "They" もちゃんと大文字で始まって、文もピリオドで終わってるね。

スペリングミスもないし、本当に良くできたぞ!ファイト!



こんな風に、別の表現をしても、それに対して添削を行ってくれる。

もちろん、微妙なアドバイスをしてきたりもする(※『AIは間違う可能性がある』っていうのは常に忘れちゃいけないと思う)けど、

元の日本語が パターン(1) のような文だから、そこまで奇妙な添削が返ってくる可能性は低め(なはず...)。




結局、前に作った「自由英作文」添削アプリの方は、生徒の子たちには公開しないままの状態なんだけど、

こちらの「和文英訳」アプリは、まずは卒業生の子たちに公開して、遊び感覚で使ってみてもらっているところ。

(アプリといってもスマホのアプリではなくて、ChromeやSafariなどのブラウザで使えるWebアプリなので、インストールしなくても、ログインするだけで操作できる。)

もう少し改善したら、生徒のみんなにも公開していこうかなと思ってます。

こういうのは手を動かすのが一番なので、

「ただ文法書を読むだけ」じゃなくて、「自分で英語の文を作っていく」楽しさを感じてもらえたら嬉しいなー。



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お菓子の差し入れをいただきました、ありがとうございます!!

回転寿司の記事でも少し触れた、ハーベスト!)



そして、こちらは卒業生の子からコーヒーの差し入れ。

もう成人して社会人になっている子で、そのまま飲みに行ってきました(『卒業生と飲んでばっかりやん』というツッコミが聞こえてきそう…)。





2024年5月22日水曜日

「ジェフ今日夜暇ですか」

 

先週の午前中、卒業生の子からLINEが。

「何か相談事とかかな?」と思って見てみると...





え、こんな幸せなLINEもらっていいの?



4月から大学生になった子が、大切なバイト代を使って夕食に招待してくれた。

遊びに使いたいやろ、そのお金・・・

服に使いたいやろ・・・

それをJeffとのご飯に使ってくれるなんて、嬉しすぎる。





しかも予約とったって… ラーメンとかじゃないの?

いつも卒業生にはおごってばかりなので(もちろんそれでええんよ)、

本当に嬉しいディナーだった。

ぜんぶ写真撮ろうと思ってたんだけど、話が弾みすぎて、それどころじゃなかった。

サラダの写真だけどうぞ:


さらに、マクドに "はしご" して、シェイクとポテトまでおごってくれた。

本当に本当にありがとう。




この子はJeffにご馳走したことをいつか忘れるかもしれないけど、

Jeffの方は、一生忘れないと思う。

大学生のみんな、初めてのバイト代が入ったら、家族の人たちに使うといいと思うよ。

そのときのみんなの気持ちを1としたとき、

使ってもらった側の嬉しさは100ぐらいはあると思う。

ものすごく良いお金の使い方だってことに間違いはない。

(この子も、Jeffだけじゃなく、ご両親もご飯に招待すると話していた。)





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保護者の方から、カップ麺&やきそば の差し入れを大量にいただきました!

特に受験生メンバーのお腹を満たしてくれています、ありがとうございます!




そしてこちらは、卒業生の子から。現役メンバーのために心遣いありがとう!!





2024年5月16日木曜日

回転寿司で勇気を出した話

 

きょう回転寿司に行ったら、

3席ぐらい離れて、海外からの観光客っぽい男女2人が座っていた。




「いやー、本当に観光客かな? 地元に住んでる人の可能性もあるしなー、モグモグ」

と思っていると、

よく見たら、男性が醤油をつけずに寿司を食べている!




「なにーーっ! 

 いや、でも、通(つう) な食べ方とも言える・・・

 素材の味を堪能しているのかもしれないし・・・」




しかも、モグモグしながら、うなずいている

「んー、いい味だ」とでも言いたげな表情だ。

いや、それなら良いんだけど・・・

食べていたネタは、多分あれはアジっぽかった。

それ、醤油つけないと、きつくないかな・・・




女性は、茶碗蒸しを楽しんでいる模様。

静かに食べる2人なので、まったく会話が聞こえてこない。

「なんか、味がしないよね?」とでも話をしてくれたら、

"醤油 (soy sauce)" 紹介マンとして一言かけに行けるんだけど、

とにかくこの2人、話さない。(険悪な感じじゃなくて、普段からこんな感じですよという、落ち着いた雰囲気の2人だった。)





ああ、ソワソワする・・・

せっかく観光に来てくれたんなら、寿司はおいしく食べてほしい。

だったら醤油でしょ! 

ああ、でも、「宗教上の理由で醤油は使えません」みたいな事情かもしれないし・・・




そうだ、カウンターに置いてある醤油、自由に使えるって知らないのかもしれない。

そう思って、

ちょっとわざとらしく、見せつけるかのように、

自分の皿に醤油を追加してみた。

こうやるんですよー・・・

フリフリ・・・





全然こっち見てない。





ああ、だめだ。ただ単に、大量の醤油が皿にのってしまった。

観光客だったら、

「現地の人はどうやって食べてるんだろう?」と

こっちをチラチラ観察するもんじゃないの?

やっぱり地元民なの? 通だから、醤油は要らないの?





そんなことを思っていると、女性が流れている寿司を1皿とり、

さらに男性も追加でもう1皿とっていた。

たぶん、あの色合いは、再びのアジだったと思う。





「さっき醤油なしで満足できたの? なら良いか!?」

という思いと、

「いやアジやで、醤油は要るって!」

という思いとが混じり合いつつ、

けっきょく我慢できなくなったJeffは、ついに席を立ち、声をかけた。





以下、実際は英語で話してるんだけど、日本語で。


Jeff「醤油かけへんの?」


男性「え、醤油使わなあかんの?」


Jeff「いや、使わんでもええんやけど。醤油使っていいんやで、って知らんかったらと思って・・・」


男性「使った方がベター?」


Jeff「自分はそう思うけど」


男性「オッケー。えーと、直接かけんの?」


Jeff「直接でもええし、こんな風に、空いた皿を使っても良し」


男性「おー。Thank you. ありがとう!」





こんな感じの会話だったと思う(最後の "ありがとう" は日本語だった)。

ああ、すっきりした・・・

話しかけてよかった。

この感じ、たぶん観光客だったんだと思う。




「なんか寿司って味しないし、微妙」みたいな感想にならずに済んだ(んだと信じたい)。

その後すぐに店を出たので、醤油をつけて「うまっ」とか言ってくれたかは分からないけど。(あの2人のことだから、味わいながら、ウムウムとうなずいていたかも。)

今は外国からの観光客も増えているから、英語メニューを用意しているお店も多いだろうけど、"How to enjoy sushi" のような説明書きまで用意しても良いかもしれない。

特に、湯飲みで押すとお湯が出てくるあの機械(なんて呼ぶんだろう?)とか、知らないとお茶が飲めない…程度ならまだ良いとして、素手でプッシュしちゃったら、めちゃくちゃ危ないよね。




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卒業生の子が買ってきてくれたお菓子。

ハーベスト、好きすぎて、Jeffがかなり食べてしまいました。(ごめん。まだ残ってます。)

いつもありがとう!




2024年5月9日木曜日

「はーい今から割り算を教えまーす。まず注意なんだけど、数を0で割ることは禁止されていて・・・」

 



小学生に「足し算」を教えるとしよう。

「数字と数字を足すと、どんどん数字が大きくなっていくんだよー」




…このとき実は、教える人は心の中で、

「でも、負の数だったら、足したとき合計は小さくなるんだよなあ…」

と思っているかもしれない。

たしかに  10 + (-4) = 6 

なんだけど、じゃあこれを、足し算を習ったばかりの小学生に教えるのが正しいやり方か?

…って言われると、「いや、それはまだ言わなくて良いでしょ」と言う人が多いと思う。




ここで正確性を優先して、こんな風に小学生に教えるのは、(一部の例外を除いて)むしろ不適切だろう:

「前提として、実数の範囲で考えるよ。虚数に大小関係は無いからね。で、正の数に、別の正の数を加えた場合、その合計値は、もとの数より大きくなります。じゃあ、計算ドリル、みんなでやっていこうか!」




・・・こんな風に、

教える人というのは、その人の知識が深ければ深いほど、

「今の段階ならこう教えた方が分かりやすい」

 VS.

「この教え方は、実は正確ではないんだけど…」

という2つの気持ちが "せめぎ合う" ことが多くなるんじゃないかと思う。





英語なら、たとえば affect・effect という2つの似た単語がある。

たいてい高校生は、

affectは「影響を与える」という動詞

effectは「影響、効果」という名詞だと習うことになる。

そしてほとんどの場合、その理解で問題なく英語を使いこなしていける。




だけど実は、

動詞と習うaffectにも名詞の意味があるし、

名詞と習うeffectだって実は動詞で使われることもある。

ただ、その頻度はかなり小さい。




たとえば、effectという形で、名詞・動詞で使われる確率をグラフにすると、こんな感じ:




ここで、もう既に英語がすごく得意な子に、

「実はeffectって、動詞の意味もあってね…」

と教えるのは良いだろう。「へー、おもろいなー」と興味が高まるかも。

けど、

まだまだ単語力もこれからっていう子に、

effectは名詞で使われることがほとんどだけど、動詞で使われることも実はあって…」

affectも同様に…」

と最初から全て伝えるのが、本当にベストなのか? 

といえば、「最初はそこは言わない方が、頭の中を整理しやすいんじゃないかな」という気がしてくる。





すごく知識が豊富な人が、必ずしも教えるのが得意じゃないことがあるのは、

こういう事情も関係しているかもしれない。

自分がすごく好きなゲームやスポーツがあって、

初心者の人に教えるとなると、

「ううう… これも言いたい… あれも口を出したい…」

「けど、今これ言っても、混乱するだけだよな… 今日は言わんとこ… ああ言いたい…」

というように、"さじ加減" が難しい。

ここを間違えると、相手が

「一気にそんな言われても分からん!やーめた!」

と感じてしまうことだってある(悲しすぎる)。





英語のスピーキング練習で、初心者が、いちいち

「そこの動詞、sが抜けたよ!」とか

「その単語、発音ちゃう!」とか言われたら、

萎縮して英語で話すのが嫌になるかもしれない。

でも、上級者を目指す人なら、むしろそういうアドバイスが有益で助かる!というケースもある。





・・・なんてことを、教えながら思ったりしている。

授業中、「基本的には…」とか、「例外もあるんだけど、今の時点では…」のように言うときは、

心のなかで「うー、本当はここは正確に教えたい。教えたいんだけど、そこを話しすぎると、みんな混乱するに違いない…」

みたいな葛藤があったりする。

聞いてくれている側は「なんか、回りくどいこと言ってんなー」ぐらいの気持ちかもしれないんだけど。




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GW期間、前回の記事を書いた後にもまた別の卒業生たちが遊びにきてくれて、

同じバーに行ってきた。


元気そうで(というか元気だった)、何より! またおいでー。





そして、GW終盤にも、卒業生『カタン部』を開催。

関東の大学に進学している子も帰省していて、一緒に楽しい(&バチバチした…)時間を過ごすことができた。

またやります、卒業生メンバーはウェルカム!





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卒業生の子たち、そして保護者の方から、色んな差し入れをいただきました。

高校生の子たち(とJeff)が大喜びで食べています、ありがとうございます!!







2024年5月1日水曜日

GWということで

 

この前、社会人の卒業生と飲んできたときの写真。


感覚としては "ついこの前" まで高校生だった生徒の子たちと、一緒にウイスキーを飲む日が来るとは・・・

立派に(&楽しく)働いている話を聞いて安心した。





こちらは、上の2人と同じ代の、別の子が買ってきてくれたお土産。


懐かしい東大の "赤門" のイラスト入り。

東大の大学院に進学して、専門的な勉強をしている。

卒塾生の子が、自分の後輩になってくれていて、これもとても嬉しい。

今回は昼間に来てくれて少し話せただけだったけど、またゆっくりご飯でも行こう。




ゴールデン・ウィークはいろんな卒業生が遊びにきてくれる。ありがとうね。





そして、前回に引き続き、卒業生メンバーの『カタン部』も1ゲームだけ開催。


なんと塾にはカタンが2セットある(&卒業生の子もハマって自宅用に買っている)ので、今度はもっと大人数で、複数のゲームが同時進行…みたいなのも面白そう。

ちなみに、初心者相手というのも気にせず必死でプレーして、Jeffが勝ちました...(←負けず嫌い)








こちらは、生徒の子が持ってきてくれたお土産。

教室のみんなで美味しくいただきました。ありがとう!!