2019年11月1日金曜日
大学入試英語成績提供システムの導入延期について
本日(11/1)、文部科学省より、令和2年度の大学入試での「大学入試英語成績提供システム」の導入は見送るという発表がありました。大臣からのメッセージは、文部科学省のこのページから確認できます。これによると、
(引用)
大学入試における新たな英語試験については、新学習指導要領が適用される令和6年度に実施する試験から導入することとし、今後一年を目途に検討し、結論を出すこととします。
(引用終了)
とのことで、これから1年間を目安として制度のあり方を再検討することになりました。
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これにより、現在の高校1・2年生が、高3の冬に大学入試に臨む際、「大学入試英語成績提供システム」が活用されることはなくなりました。(念のため大学入試センターにも問い合わせて確認も行いました。もとの予定では本日から共通IDの発行が始まることになっていましたが、それも中止とのこと。)
そこで、現在の高校2年生が受ける大学入試では、標準的な受験方法はこのようになります:
◆高3の1月に、共通テスト(現行の『センター試験』にあたる)を受験する。そこで行われる「英語」のテスト(Reading 100点 + Listening 100点)を受ける。(※今までは「高3の4~12月で英検などを受験して、その成績を"システム"に登録する」という説明でしたが、この"システム"は適用されません。)
◆その後、私立大学の試験や、国公立大学の二次試験(前期試験は2月末頃)を受験する。
※もちろん、推薦入試など含め、多種多様な入試方法が存在するので、これに当てはまらない方式で受験する人もたくさんいます。上記はあくまで標準的なパターンの1つとして捉えてください。
なお、「大学入試英語成績提供システム」という、受験生の成績を一元的に管理するシステムの活用が延期になったということであって、これとは関係なく、それぞれの大学が個別に英語試験の成績を活用することは可能です。例えば、「英検準1級をもっていれば入試の英語の成績を満点換算します」とか、「TOEFLで72点以上なら加点します」など、各大学が独自に基準を設けることはありうるので、志望校が発表する情報を確認する必要はあります。
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なお、超英塾では現在、高校1・2年生においては「学年別クラス」を週1コマ、「4技能クラス」を週1コマ、合計で毎週2コマずつの授業を行っています。
この度の"システム"導入の延期に伴い、4技能クラスの扱いについても頭を悩ませましたが、今年度はこの枠組みのまま授業を行います。
1年生においては、「学年別クラス」は英語の力を今後伸ばしていくための基礎力を構築する機能を担っている一方、「4技能クラス」は問題演習という実践を通して、学んだことを「使いこなす」ための練習をする場となっています。(ただし、Reading・Listeningの比重をこれまでよりも高めます。)
2年生では、基礎力にあたる内容はほぼ完了しており、「学年別クラス」は主に大学が作成する試験(国公立大学でいう二次試験)で登場するような難易度の高めの長文を読みこなしたり、それに付随する記述問題で自分の言葉を用いて表現できるような力を養成しています。一方の「4技能クラス」では、これまでは英検をメインとして"システム"に対応できる力を養うことに重点を置いていましたが、これからはReading・Listening、特に「学年別クラス」での扱いが少ないListeningの比重を高めていく予定です。
ですので、「4技能クラス」という名前は残しますが、どちらの場合も、ややReading・Listeningの演習に重点を置いた内容へと調整して今年度の授業を行います。(なお、たとえばWritingなら”100”という、ライティング100題を用意してノートに書いたエッセイを1on1で添削していく練習を希望者で行っていますが、これらは今後も継続するので、生徒のみんなはどんどんもってきてくれてOKです。)
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ただし、「使いこなせる英語」を目指すうえで、4技能を磨くことの重要性は変わりません。入試制度が変わっても、自分の力を試す・伸ばすためのきっかけ、チャンスとして英検やTOEFLなどの英語試験は活用できるものだと思っています。(そもそも"システム"の話が始まる前から、これまで生徒の子たちは力試しに英検などを受験してきましたし、それによってさらに実力を培ってきました。)塾でも、上記の"100"や、英検などのテスト前の全員スピーキング練習なども変わらず継続していきます。たとえ「入試」という意味では4技能型テストの重要性は薄れてしまうかもしれないにせよ、これで実用的な英語力が将来必要なくなるという意味では全くない、ということは心に留めておく必要があります。
(11/22/2019)
→追加の記事 『Speakingレッスン』