前回は「弾丸・東京旅行!」の話だったけど、
今回は真面目なトピック。
大阪府の公立高校の入試では、
「英検」等の資格を保有していると有利に働く。
2級を持っていれば、本番の英語のテストで「80%」のスコアが最低保証され、
準1級だと、なんと「100%」だ。
つまり、入試当日に英語テストの調子が悪くても、
80~100%の得点が確約されていることになる。
ちなみに、「英検」の他にも使える試験はあるんだけど、
そちらは中学生が受験するにはかなりハードルが高いので、
実際には英検を受ける子がほとんどだと思う。
それで、そうなると誰だって英検2級以上を目指したいところなんだけど、
これがそんなに簡単ではない。
英検2級というのは「高校卒業」程度、
準1級にいたっては「大学中級」程度という設定になっている。
そりゃ中学生からすれば難しいに決まっている。
では、
「実際にどれぐらいの割合でこの制度を使っているのか?」
というのが当然気になってくるけど、
実はこれ、公式に数値が発表されている。
公立高等学校入学状況概要について というページにリンクがあるんだけど、
これがけっこう興味深いので、今回はちょっと紹介してみよう。
以下、前回(2024年度入試)の数値。
まず、三国丘高校(定員320)の場合、
志願者数は471名。
そのうち、上記の制度を使ったのが368名で、
志願者数に占める割合は約78%と高い数値だった。
ちなみにこの368名中、「英検2級レベル=80%保証」だったのが355名だから、
ほとんどの制度利用者は80%保証の状態で入試に臨んだことになる。
続いて、泉陽高校(定員320)の志願者数は444名。
この中で制度利用者は103名だったから、
こちらは志願者数に占める割合はおよそ23%、つまり約4人に1人ぐらい。
この103名中、「英検2級レベル=80%保証」だったのが102名で、
1人だけ「英検準1級レベル=100%保証」状態だった。
この両校でまとめると、志願者のうち、
三国丘高校では約78%
泉陽高校だと約23%
の子たちが去年は英検等を活用して受験したことになる。
こうしてみると、
もしかすると「泉陽は少ないな」と思うかもしれないけど、
制度利用者の数は、
「普通科」の府立高校のなかでは、春日丘高校に次いで大阪府2位の多さだった。
この制度は、中学時代にハイレベルな英語力を身につけるきっかけに
なっているという意味で、とても意義があると思う。
ただし人によっては、「もう2級もとったし、入試までは英語の勉強はあんまりしなくて良いや」というケースも出てくるかもしれない。
まして準1級なら、何もしなくても英語は満点なんだから、入試のために勉強する意味がなくなってしまう。
そうなると、早めに英検をとれた子ほど、あまり英語に時間を割かなくなって、
高校入学時、英語力が理想ほど伸びていない… みたいなことは無いのかな。
(受験生としては、入試の結果に影響しうる勉強に時間を注ぎたくなるのは当然だから、
『もう英語はいったん置いておこう』という作戦をとっても、これを責めることはできないと思う。)
対照的に、
もし「英検2級をもっていれば、〇点を上乗せします」といった加点方式なら、
いずれにせよ本番で英語もスコアをとる必要があるから、勉強は続けることになる。
こんな風に、試験の設計に応じて、
受験生の子たちの勉強スタイルに大きな影響が生じることになる。
せっかく英検で伸ばした英語力、
そのまま高校でさらに得意にしていけるように、スムーズに勉強をつなげられると良いよね、といつも思う。
ちなみに、制度利用者のうち、
本番の試験で「最低保証」スコア以上の得点が取れたのは、
4261人のうち639人。約15%にあたる。
小さい数値にも見えるだろうけど、
「6~7人に1人は、入試当日に(80%を超えて)最低保証よりもさらに良い点をとっている」と思うと、
案外、英検2級をもっていても、本番の試験は軽視できない(少なくとも試験中は全力で臨んだ方が良い)という気になってくる。
何にせよ、中学3年生のみんなの頑張りが報われますように...。
超英塾の方はといえば、
先日、三国丘高校の2年生の子たちが修学旅行から帰ってきて、
いろんなお土産を買ってきてくれた。ありがとう!!