2023年7月22日土曜日

「あ、これも話しとかなきゃ」

 

英語の長文を教えていると、「あ、この単語に関連して、これも追加で話しとかなきゃ」という表現に出会うことが多い。



たとえば、disruptive という単語。 辞書では「混乱を引き起こす」「破壊的な」のような日本語が載っていて、これだけだとネガティブな意味合いの形容詞なのかなと感じると思う。

だけど、現代においては、必ずしもそうとも限らない。



破壊的イノベーション (disruptive innovation) という概念があって、これは既存の市場の隙を縫ったり、完全に新しい市場を創造したりするようなイノベーション(革新)なんだけど、

この場合はむしろ、「これまでの考えを破壊して新しいものを生み出す」といったポジティブな意味で使われている。



試しに英英辞書で調べてみると、disruptiveの意味の1つとして、こう載っている:

new and original, in a way that causes major changes to how something is done (出典 Oxford Learner's Dictionaries


辞書の『混乱を引き起こす』『破壊的な』だけを覚えていると、この"new and original"という感じを掴むのはかなり難しい。

(もちろん、辞書のイメージ通り否定的な意味合いで使われていることも当然あるから、あとは文脈で判断することになる。)






他には最近、collateralというワードが長文で出てきた。

お金を借りるときの「担保」等の意味があるんだけど、高校生にとってはあまり馴染みのない概念だと思う。

「担保を準備できない人々に対して資金を貸し付けるときには~」みたいな文脈。ここで、いくら辞書で「担保」という意味を覚えても、それがどういう意味なのか分からないと、話が理解できない。

こういうときは、「じゃあAさんがBさんにお金を貸すとして、もし返してもらえなかったらヤバいから、それに備えて…」みたいに、具体例を出して、その単語がどういう概念なのか説明することになる。





国語と同じで、英語の長文も要は「文章」だから、そこでは何だって論じられる可能性がある。

コロナウイルスが取り上げられることもあれば、

経済学や論理学の話題が登場することだってある。

「そういう背景知識まで頭に入れるのは大変…」と思うこともできるけど、

むしろ、「英語の勉強をしていたら、気づけば社会の仕組みについても結構学べていた!」とか、「日本語だと出会わないような話題のおかげで見える世界が広がった!」とか、

そういう知的な世界観を広げるチャンスにしてくれたら嬉しいなー。

…と思って授業をしています :)





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塾生のみんなのために差し入れをいただきました!

ありがとうございます!!