この文を読んでみよう。
「彼が東京に訪れたのは昨日だった」
うーん、「に」で良いのかな?
どうだろう??
…こういうとき、何度か口に出してみて、"しっくり" くるか確かめることが多いんじゃないかと思う。
「東京に訪れた、東京に訪れた…」
うーん、あんまり聞いたことが無いような…
「彼が東京を訪れたのは昨日だった」
ああ、これだ。「を」だ。
こんな風に、「あれ、表現として、これってどうかな?」というときに
口に出して確認したりするわけだけど、
英語でも同じことが起こる。
たとえば、「手に入る、利用できる」という意味の available という形容詞がある。
それで、生徒の子がこんな文を書いてきたとしよう:
"This information is available for everyone on the Internet."
「この情報はインターネット上で誰にでも入手可能だ」と言いたい文なんだけど、
なんだか "しっくり" こない。
「うーん、available for ... available for ...
いや、available to everyone か」
そうして、Google の Ngram のページで調べてみる:
すると、avalable for everyone よりも available to everyone の方が圧倒的に出現頻度が高いことが分かる。
こういうとき、英語を操る人の頭の中では、
「なんかこの表現、聞いたことないな」とか
「すっきりしないな」とか、
そういうモヤモヤが先にあって、
そうして辞書や上のNgramのサイト等で調べたうえで、
「 to にしといた方が良いと思うよ」とアドバイスすることになる。
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このモヤモヤがどこからやってくるかと言うと、
もちろん土台には単語&文法の知識もあるんだけど、
それに加えて、今までに触れてきた英語の文章のデータベースみたいなものが頭の中に入っているというのがある。
上の、
「東京に訪れた」vs.「東京を訪れた」
だって、別に頭の中に
「"訪れる"という動詞を使うときは、"を"という助詞を用いる」
という確固たるルールが入っているというより、
「なんか、"に訪れる" って、あんまり聞いたことがないような…」
という違和感から始まる人が多いんじゃないかと思う。
それで、「東京に訪れる… 東京を訪れる…」と声に出してみて、
自分の頭の中にある「日本語データベース」と突き合わせて、
スッキリする表現を探っていると言っていい。
この「頭のデータベースを強化していく」ための戦略の1つが、音読。
よくJeffは、勉強した長文とかは、仕上げに音読してねーと
生徒のみんなに言うんだけど、
この音読を通して、頭の中に「適切な表現の音」が少しずつ染み込んでいくんじゃないかと思う。
"They know you." は良いけど
"They knows you." がダメなのは、
いちいち「三単現のルールに照らして…」とか考えているわけじゃなくて、
「They knows なんて音の組み合わせは聞いたことがないぞ! 何か変だ!」という警報が頭の中で鳴っていたりするわけだし、
I'm interested in ... とすぐ in が使えるのも、
口が "interested in ... " という音に慣れているから、という面の方が大きそうだ。
そう考えると、音読はやっぱり大切だなーと改めて思う。
でも、みんな面倒くさがって音読しなかったりするんだよね…。
音読するの楽しいと思うんだけど…。
そして継続すればすごく自分を助けてくれると思うんだけど…。
というわけで、これからもどんどん音読を推奨していきたい。
(ちなみにこれまでの経験上、高3になると音読パワーに気づいて音読しまくる子が出てくるという印象。)
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保護者の方から、お菓子の差し入れをいただきました!
今日は特に3年生クラスの日で(→授業時間が長いのでみんな大変)、
休憩時間のみんなの癒しになっていました。ありがとうございます!
もう1つ、こちらは卒業生の子からの差し入れ。
サクサクで美味しかった!
いつも塾のことを気遣ってくれてありがとう!