2014年10月17日金曜日
正常性バイアス
突然だけど、
この前、朝の5時半(!)に、アパートの非常ベルが鳴りだした。
最初は「誤作動かな・・・」と思っていたんだけど、
廊下に出ると、なんか焦げ臭い・・・
「や、やばい・・・」
眠くてフラフラななか、パーカーを着て、貴重品をもって外に出た。
階段を降りる間・・・ うん、やっぱり、なんか焦げ臭い・・・
でも煙とか出てないし・・・。
外に出ると、2人だけ、僕と同じように避難してきていた。
全然ベルが鳴りやまないので、消防車まで来てもらった。
ちょっと騒然とした感じだ。
・・・まあ、オチを言うと、
結局、住人の1人が魚を焼いてただけだったんだけど。(笑うしかなかった)
それはいいとして、問題は、僕を含めて3人しか避難していなかったことだ。
これ、もし本当に火事だったら・・・
たぶん、逃げ遅れた人も発生していただろう。
いつもだったら僕も「まあ大丈夫やろ」と部屋にずっといたかもしれないんだけど、
たまたま前日に「正常性バイアス」の記事を読んでいたので、この日は体が動いた。
正常性バイアス、ってみんなは知ってる?
たとえば、地震が起きたときに、部屋にいる他の人が「まあ大丈夫でしょ」という感じで
だれも動きださなかったら、自分も動かなかったりすることがある。
でも、もしそれが本当に破滅的な地震だったとしたら・・・
たぶん助かるのは、真っ先に机の下に隠れたり、
ドアを開けて逃げ道を確保したりする人だろう。
(僕は 3.11 の地震のときは東京でアパートの7階にいた。
急激に部屋が揺れはじめて(尋常じゃない揺れ方だった)、
そのときはルームメイトが「逃げるぞ!」って走り出したので、
僕もサンダルだけはいて、一緒に逃げ出した。
階段を降りているあいだ、壁の表面が剥がれ落ちたりしていて、
『あ、もしかしてこれは死ぬかも』と少し思ったのは忘れない。
部屋に戻ると、冷蔵庫もタンスも、とにかく家具が全て倒れていた。
あのとき走って逃げる選択肢が正しかったかは分からないけど、
とにかくそのときはすぐに行動した。
当時、防衛省のすぐ近くに住んでいたので、
とりあえずサンダルのまま防衛省の目の前まで走っていった。
他にもたくさんの人が不安そうに防衛省に駆けつけていた。
別に防衛省が安全な場所ってわけではなかったと思うけど・・・。
あれ以来、地震がきたときは真っ先にドアを開けて逃げ道を確保することを思い出す。
地震後にドアが開かなくて逃げられなくなるケースがあるということを、そのルームメイトが教えてくれたからだ。)
このたびの御嶽山の噴火事故でも、自分は大丈夫だろうと判断して、
携帯電話で写真を撮影していたために逃げ遅れた人がいるらしい。
正常性バイアスの「バイアス」は、biasつまり先入観という意味だ。
最近、この正常性バイアスのことをよく思う。
こういう非常事態では正常性バイアスを振り切って自分の安全を確保しないといけない。
これは、自然災害以外の分野でもそうなんじゃないかな。
僕は塾の先生だから、勉強に関しても正常性バイアスのことが気になる。
たとえば、「まあ勉強なんてテキトーでいいでしょ」っていう人が集まる場所にいたら、
たぶん「それが正常なんだ」と考えるようになるだろう。
これだって正常性バイアスだ。
結果、ジワジワと勉強が苦手になっていくんじゃないだろうか。
もちろん、正常性バイアスは、生きていくためには必要な機能だ。
いちいち「自分の行動は正しいのだろうか」って悩んでいたら、生活していけない。
だから、「まあ、みんなもそうしてるし大丈夫か」といういい加減な判断も生きる上では必要になってくる。
ただし、常に正常性バイアスに侵されていると、あとで後悔することもあるだろう。
「あれ、なんかこれ変じゃない? ここは大勢の意見に従ったらまずいのでは・・・」という
ちょっとした違和感、ピンとくるものがあったときは、
この正常性バイアスのことを思い出すようにしたいね。
さて、英検の一次試験も終わって(これはみんなにとって本当に成長の機会になったと思う。
まだ二次があるけど、そっちも楽しんでチャレンジしていこう)、
学校のテストももう終わる時期だ。
実は今夜の授業には、三国丘からも泉陽からも、新しく体験に来てくれる子がいる。
すごく楽しみだ。
超英塾は、「地元で何十年と実績がある塾です!」みたいな存在ではまだないから、
僕の塾に興味を持ってくれる子というのは、
正常性バイアスにあまり感染していない子が多いんじゃないかな、とちょっと思ったりする。
自分から「英語を得意にしたい」って思って来てくれるみんなは、本当に心強い。
どんどん突き進んでいこう。