2015年3月18日水曜日

「高校生の英語力、ほぼ中学生レベル」報道から。



既にたくさん報道されているけど、

全国の高校3年生を対象に、

「読む・聞く・書く・話す」の、いわゆる「4技能」の英語力調査が行われて、

その結果が発表された。



結果について色々と言う前に、この「A1とかB2って何?」という人も多いかもしれない。

これは、英語力を示す国際的な基準として流行っている「CEFR」というものだ。

セファールと読む。

で、本当~にザックリ言うと、上の表のように、

A1から上に行くほどほど英語力が上がっていって、C2まで行けばペラペラ。

そして、表にあるように、一応それぞれ「英検でいうと何級?」という目安がある。

日本人にとってはこっちの方が分かりやすいと思う。

(もしどうしても気になる人は、 「英検と CEFR との関連性について 研究プロジェクト報告」参照。)










報道で「高校生の英語力、中卒レベル」みたいに書かれているのは、

上の表から分かるように、ほとんどの子が「A1」レベル、つまり

英検3~5級レベルで、この英検3級っていうのが「中学校卒業ぐらい」とされていることに基づいている。







で・・・誰が見ても明らかなのは、

★ほとんどの高3生が、英検3級以下のレベルであった

ということ。あとは、結果を棒グラフにしてみたのがこれだけど、





★「読む」「聞く」の方が、「書く」「話す」よりは得意らしい

という、みんなが思っている通りの結果になっている。








報道のなかには、高い英語力を目指すという目標の「達成の難しさ」が浮き彫りになった、

のように書いているものもあったけど、

「だから日本人には英語は無理なんだ」と結論づけてしまっては何も進まない。

むしろ、ここが高校生の英語の「現状」、これからの「スタート地点」なんだ、と改めて確認できたことに意味があるだろう。

「現状」が分からないと、これからどうやって成長していけばいいのか分からない。

この「現状」をもとに、

「ここから、どうやって英語をできる子たちをつくりあげていくのか」を考えていけばいいんだと思う。







あとは、アンケート調査で、

「英語が好きではない」という方向で回答した子が58%以上もいたのがすごく気になる。

本来、外国語が喋れるようになるのは楽しいことなのに・・・ 

たぶん、「できないから、嫌い」という因果関係の子がかなりいるんじゃないだろうか。

実際、テスト結果がA1だった子だけでは、「好きではない」の割合が7割程度にまでなっていたらしい。








ちなみに、上で紹介したCEFRと、TOEFLとの対応表を見ると・・・

(ソース:Compare TOEFL® Scores。TOEFL(iBT)は120点満点。)


A1とA2レベルに対応したスコアがない(!)。

つまり、B1(だいたい英検2級)レベル以上でないと、TOEFLは受けてもあまり意味がないことになる。

僕は「高校生全員がTOEFLを受ける必要はない。ただしトップを目指す子たちは、

英語力をTOEFLでガンガン鍛えたほうがいい」という意見なんだけど、

実際、今回の調査と合わせて考えると、

今のところ、TOEFLを受けて意味がある、B1レベル(英検2級)よりも上の実力がある子は

全体の1~2%というところらしい。







今回は国公立の高校が対象だから、私立も入れれば別かもしれないが、

それにしても低すぎる!

僕のような英語の塾の先生も、学校の先生も、

せめてこのレベルの子たちが、まずは10%を超えるように頑張らないといけないね。









超英塾も、今年の新1年生から希望者向けに「TOEFLクラス」をやる予定だ。

とにかく、どんどんB1以上に成長していけるようにサポートしていきたいと思う。





(3月は、新高校1年生の『体験会』もやります。

 それについては、詳しくは【こちら】からどうぞ。