2015年6月11日木曜日
「覚える」の定義。
「覚える」って言っても、いくつか種類があると思う。
たとえば、世界史で、こんな問題が出たとする。
アテネで、僭主の出現を防止するためにクレイステネスが創設した、市民による投票制度は?
この問題を見て、
「あれ、何だったっけ・・・? 絶対知ってるんやけど・・・
オス・・・・ オスなんちゃら。 えーとー オス・・・ オス・・・
あ、思い出した!
オストラシズムや! ん?オストラコン? どっちやっけ・・・」
と頭を悩ませて、1分後に「オストラシズム」という答えがでてきても、
そんなに問題ないと思う。
それで正解だ。
でも、英語の「覚えている」がこのレベルだとまずい。
たとえば・・・
Many psychologists have found that people who can easily tell a lie are able to control eye contact very well.
長文でこの一文に出会ったとして、こんな感じの子がいたとする。
「ええと、psychologistって、なんかどっかでやったぞ・・・
ええと・・・ プスワイチョロ・・・ じゃなくて、これ、サイコロジストって読むんだったっけ・・・
あ、そうか、心理学者や、そうそう、心理学者!
よし、で、次は・・・」
この子は、確実に、時間切れだ。
いくら「psychologist = 心理学者」をひねり出せても、
このペースでは絶対に長文を読み終われない。
だから、「英単語、覚えてますよ」っていうのにもレベルがあって、
この「覚えている」は、「見た瞬間にすぐ意味が頭に浮かぶ」レベルじゃないといけない。
3秒ぐらいで意味が何も出てこないんだったら、
自分に厳しく「まだ覚えられていない」認定とすべきだろう。
もっと言えば、英語を見たときに「その和訳」がでてくるんじゃなくて、
英語を見てそのまま「意味が頭に入ってくる」のがベストだけど、
まずは「すぐ」に日本語の意味が言える、のレベルになってほしいなと思う。