2016年1月17日日曜日

今年のセンター英語


センター試験2日目だ。

英語のテストは昨日だったので、問題も既に公開されている。





(ここからは、問題の中身に触れるので、
 『センター同日受験』とかにチャレンジする生徒の子は読まないように注意!





センター試験の英語は、それまで形式が安定していたのが、2007~8年あたりで急に問題の傾向が変化して、受験生がビックリしたことがあった。

それ以来、チョコチョコと新しい問題が登場したりしている。

これは、英検・TOEIC・TOEFLのように、問題の構成が基本的に変化しない(&変化するときは、事前に通知がある)テストとはかなり対照的だ。

今年は、第5問が小説になっていた。

これは、去年の追試験の時点でこうなっていたので、予想していた関係者も多かったと思う。・・・けど、それでも少し驚いた。








いま、英語教育の業界はとにかく「4技能」がキーワードになっていて、昔ながらの英語教育(文法重視とか和訳とか、そういう伝統的な英語の勉強のやり方)はあまり人気がなくなっている。

実際、この地域でいえば特に三国丘高校は、生徒のみんなから教材とかを見せてもらったり、話を聞いていても、授業の中身はかなり変化してきている。

そうした中で、センター試験は、あと数年で廃止されることが決まっているテストとはいえ、その問題作成にあたるのは、この英語業界の流れを熟知した人たちだろう(基本的には大学教授)

そうすると、センター試験の問題も、どこかの時点で、より新しい方向性に沿った問題にガラリと変化してもおかしくない。・・・と思っていたから、今回の「小説」問題の復活には、「おっ」と目を引かれた。

自分が受験生の頃は、センター英語の第6問(ラストの大問)といえば、小説が定番だった。だから、今年は「復活」だ。

ある時から、この第6問は、評論へと変化して、小説は姿を消した。(こういう事情があるので、赤本を買って過去問をしっかり勉強していた子は、小説が定番で第6問だった時代の問題も解きまくっていたはずだから、今年の小説の問題もそんなに難しいとは感じなかったんじゃないかなと思う。)








ちなみに、英検やTOEFL、TEAPといった、今後、大学入試で使われる可能性が高い試験に関していえば、小説の問題は基本的に登場しない。

これって、どう考えればいいんだろう?

ここで、センター試験が終わると、実際に問題を作成した人たちが、報告書を出すことになっていて、それは誰でも読めるようになっている。(ここ→試験問題評価委員会報告書

それで、問題作成している人たちの姿勢が知りたいと思って、改めて去年の報告書を読んでみると、こう書いてあった。


 センター試験の中で、英語は最も多くの受験者が受験する科目であり、各方面からの関心も高い。あくまでも日本の高等学校段階における英語学習の達成度の判定を狙いとしていることからすれば、海外留学(TOEFL)や国際ビジネス(TOEIC)等の国際標準の試験とは目的が異なる。また、センター試験問題が受験日の翌日に新聞等で公開され、広く一般国民の目に触れることも特徴的である。したがって、本試験は競争的試験として他に類を見ない特殊性・公開性の下に行われているものと言えよう。
(平成27年度本試験「問題作成部会の見解」より。強調部分はこちらで足しました。) 


はっきり、「TOEFLやTOEICとは目的が異なる」と宣言している。今の社会の流れにケンカを売っているわけではないと思うけど、ここまで明言してあるのはスゴイ。

もしかすると、今年の問題も、この流れを汲んだ先生たちが作成したのかもしれない。

ただ、一方で、TOEICはともかく、TOEFLやTEAPなどの4技能型の英語試験は、今後の大学入試でさらに多く活用されるようになっていくことはほぼ間違いないと思う。

つまり、問題を作る先生たちのなかにも、TOEFL等の試験を導入するのに賛成派・反対派の人たちが入り混じっていることになりそうだ。

センター試験の問題作成委員の任期はたしか2年なので、来年以降、また違った考えをもった先生たちが委員に就いて、さらにひっくり返して新しい形式の問題にしてくるかもしれない(たとえば、並び替え問題とかは、あれでライティングスキルを計測することはできないとして批判されることが最近は多い)けど、

どちらにせよ、限られた時間で頑張る受験生としては、求められる英語力をできるだけクリアな形で示してほしいと思うだろう。






ともかく、そんなみんなをサポートしていく自分たち塾としては、どういう形式でテストが作られても対応できるように準備するサポートをしていく、これだけだ。

今回のセンター試験の影響で、今年は全国の受験生が小説の問題をたくさん解くことになるだろう。

たしかに今どきの形式とはいえないが、しかし「英語で物語を読む」っていうこと自体は、言うまでもなく、とても楽しいことだ。(去年は自分自身、ハリポタにはまってしまったし・・・。せっかく英語を勉強しているんだから、それを使って本を読んだり、映画を観たりできた方が楽しいに決まっている。)




だから、これで、みんなの英語の世界がもっと広げられれば、結果オーライだとは感じる。

ただ、受験生は英語以外の教科にも時間を割り当てないといけないから、一方で、効率的に英語を得意にしていけるようにもしてあげたいと思う。

というわけで、改めて、今年もしっかりやっていこう。よし。






P.S.

英検の本試験は来週だけど、今日は、CBTといって、パソコンで受験できる英検の日だった。(こちらで合格しても、紙で受けたときと全く同じ英検の資格が得られる)。

それで、生徒の子が1人、そっちで受験したんだけど、さっき「合格した!」と連絡をくれた。(CBTの場合、受験が終わった直後に合否が画面表示される!)

前回惜しくもアウトだったので、今日の合格は、なおさら嬉しかったと思う。

試験直前の授業の日はかなりナーバスな感じだったけど、今日の合格で1つ自信がついたはず。こういう、「成功体験 → ドーパミンも出まくり。嬉しい~ → もっとレベル上げたいーやったるぞー」という経験はどんどん積んでいってほしいな。

合格の連絡、こっちも嬉しくなるなー。本当に良かった。このまま二次もしっかり突破できるようにしていこう。