2025年2月2日日曜日

高1の1学期で勉強する『時制』のミニ授業


新1年生向けの超英塾の案内に掲載の、

『君の英語力への挑戦状』問題。

スペースの事情で、そちらに解説を全て載せきれないので、

第2問は、こちらに記事にしておきます。


「英語には自信あるぞ」って人も、

「時制には不安が…」な人も、ぜひ挑戦を!




Question 2 
どっちが適切か? それはなぜ? 

(A) When did you visit London?
(B) When have you visited London? 




さて、この問題は、
「過去形と現在完了形って、何が違うの?」
が分かっているかどうか、がポイント。


それを確認するために、次の文を見てみよう:

(ア) I finished my work.

(イ) I've finished my work.

どっちも、日本語にすれば同じく「仕事終わったよ」ってことなんだけど、
ちょっと意味合いが違います。


過去形の(ア)は、ただ過去の時点において「仕事をやり終えた」と言っているだけ。
名前のまんま。「過去」の出来事だから、過去形で表現している。


一方で、(イ)の現在完了は、もっと深い意味をもっています。
現在完了っていうのは、「過去が今に迫ってくる」イメージ。(*1)
別の言い方をすれば、
過去の出来事が、今とつながりをもっている! …んです。


だから、(イ)のように現在完了を使うと「今の自分は、仕事をもう終えたっていう状態にあるんだよ」と言っていることになるんです。
単なる過去の話じゃなくて。
「もう仕事は済んでる。だから今はやることないよ」という感じの場合もあれば、
「もう仕事は完了したから、今なら一緒に遊びにいけるよ」と言いたいケースもあるでしょう。


まとめると、
◆過去のことを言ってる過去形
◆過去の出来事と関係して、今どんな状態なのか、を言ってる現在完了形
ということになります。


同じ日本語に訳せるとしても、響きがちょっと違うんです。
面白いでしょ??



だから、

[OK] played tennis with Josh yesterday.

とは言えても、

[ダメ] I have played tennis with Josh yesterday.

とは言えないんです。
今なら理由が分かりますか?
「yesterday」ってことは、明らかに「過去の時点の出来事」を語っているわけで、
ということは、現在完了ではなく、過去形で表現すべきですよね。




さあ!
では、もう一度、問題に戻りましょう。

(A) When did you visit London?
(B) When have you visited London? 


今回のポイントは、「いつ~したの?」と尋ねているところ。
ということは、答えは
「昨日」とか「去年」とか「2019年」とか…、
とにかくそういう、過去のどの時点なのか、になりますよね。

そう。ということは、現在完了ではなく、過去形を使うのが適切、ですよね。

だから、(A)が正解なんです。



【もっと理解が深まる補足】

もちろん、

Have you visited London before?
(以前にロンドンを訪れたことはありますか?)

とか、

How many times have you visited London?
(ロンドンは何度訪れたことがありますか?)

のような文はOKです。


この「~~したことがある」っていう表現について。

たとえば

I have visited London twice.
(ロンドンを2度訪れたことがある)

というとき、
ロンドンを訪れたという行為は「過去」の出来事ですが、上の文では、
『2000年と2010年にロンドンを訪れました。だから、今の私は、ロンドンを2度訪れたことがある状態だといえます』
というように、過去の出来事が今に「迫ってきている」、つまり過去の出来事が、現在につながっているわけです。

それを日本語で上手く訳すと、「私は~~したことがあります」となるんですね。



というわけで、過去形と現在完了形は、似ていても別物!

それぞれのニュアンスをつかむべし!


↓ 授業で喋っているJeffの様子も動画で分かります
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*1
この、過去が今に「迫ってくる」というのは、Jeffが知る限りでは大西泰斗先生が使っていた表現です。Jeffが大学生の頃、大西先生はNHKで『ハートで感じる英文法』っていう番組をやっていて、それはもう目からウロコの嵐、なプログラムでした。

その後、まだJeffが20代の頃、「塾をやってるんですけど、教えるときに大西先生の表現を使ってもいいですか?」というようにお聞きする機会があって、「いいよーもちろん!」のような爽やかなお返事をいただいた記憶があります。「いいよーもちろん!」だったか、「どんどん使って!」だったか、言葉遣いまでは定かではないけど…。

というわけで、過去が今に「迫ってくる」という教え方を続けてきて、もう超英塾も10年近く。大西先生は飲み会で、当時はJeffに「若者」と呼びかけてくれていましたが、今なら何て呼ばれるんだろう…