今年の東大の入試問題は、例年とほとんど変わらない形式だった。
今年もイラストが出てきた。英作文は2つで、1つ目がこういう感じ。
【1】
下に示す写真の左側の人物をX、右側の人物をYとして、
二人のあいだの会話を自由に想像し、英語で書け。分量は全体で50~70語程度とする。
どちらが話しているかわかるように、下記のように記せ。
X: -----------
Y: -----------
X: -----------
Y: -----------
おもしろいよね。
「えっ、東大ってこんな問題出すの?」という感じかもしれないけど、
去年とほとんど同じ形式だから、
会場の受験生は「またか」という感じだったんじゃないかと思う。
(去年の問題の写真はこれ。
鳥かなんか飛んでるのかな。 「UFOよ!」とか書いた人も多そう。)
「こういう問題の意図はどこにあるんだ」と疑問に思う人も多いと思う。
僕の考えは、会話文を書かせるってことは
「できるだけ実践的な英語・日常的な英語もできる素地をもっていてね」という
メッセージなのかな、と思う。
もちろん大学では、
アカデミック(学術的)で難しい英語もたくさん読まされることになる(特に理系の人)ので、
そういう力も、他の問題で当然試される。
だけど一方で、「それだけじゃ足りないよ」っていうのがこういう問題なのかなと思う。
まあ、先生たちがちょっと英語の問題で遊んでる気もする。
正直、語数に関して言えば、50~70語なんて、全然長くない。
高校入試の英作文とそんなに変わらない語数だ。
東大は全教科、僕が受験した10年前ぐらいと、ほとんど問題の形式が変わってない。
僕の時も語数はこのぐらいだった。一貫してるよなあ、と思う。
じゃあ、こういうイラスト問題からの、東大のメッセージは何だろう。
それは、
「簡単そうに見えるでしょ?
・・・そう、実は簡単。
だから素直に、どんな会話がなされているか想像して、
そして素直に、君の英語力を見せてね」だと思う。
「素直」がキーワードかもしれない。
よく、東大の問題を深読みして、「こういう力が求められている!」 「出題の意図は、ここにあり!」
みたいなことを言う人がいて、
僕もけっこう「なるほど」と思っちゃうけど、
「英語」に関していえば、東大は、かなり素直というか、ひねくれていない、まっすぐな大学だと思う。
それは、大学に入ってからの英語の授業を受ければ、さらに分かる。
教科書も、授業で流れる映像も、実際の先生たちの姿勢も、とにかく「ひねくれていない」。
マニアックな英語を教えられたことは全然なくて、
とにかく正統派って感じ。
まっすぐに、素直に英語力を身につけてほしいっていうのを
授業やテストのたびに感じた。
(あと、その授業で使われる映像に、毎回違う教授がスピーカーとして「出演」しているんだけど、
そのスピーカーがみんなお茶目っていうかユーモアをもってる感じで、
「ああ、こういう人たちがいる環境であの入試問題は作られてるのね」と思うと、
「ひねくれて問題を深読みするより、素直に考えればいいのかもな」って思った、っていうのもある。)
だから、こういう問題は、素直にミスなく、自由に状況を想像して答えを書ければ、それでOK。
「正しくて完璧な英語を書かなきゃ」というより、楽しんで英語で表現すればいいんだと思う。
ちなみにこの写真、
とりあえず犬みたいなのがいるのが気になるよね。
全然問題文で触れてもらってないけど。使いたければ使って、という感じかな。
あと、東大受験生で、vending machine(自販機)ってワードを知らない子はいなかったと思うけど、
もしいたとしても、会話文を書く問題だから、簡単にスルーできる。
「この自販機、壊れてるんじゃない?」みたいな会話をしなければOK。
「あー寒いから温かいコーヒー飲みたいのに、冷たいドリンクしかないわ!最悪!」
みたいな会話をしとけば、vending machineって言わずに済む。
この「逃げ」ができるっていうのも、実践的な面の1つだ。
現実でも、ネイティブと話していて、「しまった、英語で出てこないぞ」ってことはけっこうある。
そこでフリーズしてても仕方ないから、瞬時に別の表現で言い換えることになる。
それと同じことをすれば大丈夫。
・・・長く書いてしまったので、いったんこの辺で。
ただ、「会話文を書かせる」という工夫された問題だけど、
TOEFL(トフル)のスピーキングテストみたいに、
実際に受験者が人orマイクに向かって話して、それをジャッジされるテストに比べたら、
その難易度・実践的な英語力を判定する精度からいって、紙ベースのテストでは かなわない、
というのは事実だと思う。
大学入試にTOEFLが入ってくるとすれば、
アカデミックな英語・実践的な英語、ともに、そちらで嫌というほど試されることになるので、
そうなるとこういうイラストの問題も「過去のもの」になっていくのかな? と想像してる。
※追記
この犬が「ペット」で、そして自販機の「ペットボトル」とかけて何か書く、
っていう遊びがこの問題にあったりして...と、
後で思いついた。
英語ではPET bottleよりはplastic bottleの方が一般的なので、
そこを利用してうまく書く...
ことが本番でできたらすごいね。
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