2014年12月26日金曜日
これから中学生になる子たちの英語。
以前にこのブログでお知らせした、
中学生のみなさん向け英語ウェブサイトのベータ版ですが、
訳あって、いったん公開を制限しています。ですので、ひとまず入試に関する
最新情報なんかはまたこのブログで書いたりしていこうと思いますので、よろしくお願いします。
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ところで、そろそろ本格的に大学入試でTOEFLなんかが活用されそうになっているけど、
こうなると、中学生の勉強のやり方を劇的に変えないといけないのかな、と思う。
はっきり言って、TOEFLは簡単じゃない。
留学したい、大学生や社会人の受験生が、
ものすごく高いお金を払ってスクールに通って、
ヒーヒー言いながら「1点上がった!」「下がった!」に一喜一憂しているような試験だ。
今までは、中高一貫じゃない限り、
「中学生のうちは高校受験のために勉強する」という枠組みで頑張るのが当たり前だったから、
「5教科まんべんなく、入試に標準を合わせて対策する」という感じだった。
言い換えると、
この入試という目標があるからこそ、無理してでも頑張れる、
つまり入試が勉強のペースメーカーになってくれていた。
ただし、これからは、
「英語」という教科に関しては、入試だけを考えて勉強していると、
逆に高校入試が「足かせ」になってしまう危険があると思う。
つまり、中学の間に、高校入試のレベルまでしか英語力を伸ばすことができなくなってしまって
(テストがあれば、それに照準を合わせて勉強するのは当たり前だ)、
英語の成長速度の足を引っ張ってしまう可能性があるとすら言えるんじゃないだろうか。
※その「天井」を引き上げるために、今回の大阪の改革のように
高校入試の英語自体のレベルを引き上げようという施策が行われているともいえる。
さっき計算してみたんだけど、これからの中学生は、
今の普通の高校生が1年生の間に終えるぐらいの単語力程度は身につけておかないと、
TOEFLを受験するレベルに追いつくのはかなり厳しいんじゃないかという気がしている。
それに、何よりリスニング・スピーキングに対する力を育てておかないといけない。
もちろん、これは最終的にTOEFL(iBT)で何点ぐらいが勝負のラインになるのかによる。
トフルといっても、0点から120点まであるわけで、目標数値によって、そこまでのプロセスは当然変わってくる。
ただし、TOEFLは、級で分かれている英検なんかと違って、「どんなレベルの人も、同じ問題を解く」ように設計されている。
つまり、一定の英語が理解できるレベルじゃないと、試験を受けていても「???」という状態になりかねない。
たとえば、(Jeffが実際に受けた試験の内容はここで明かすことはできないが、)
光合成が環境に与える影響だとか、他の惑星に含まれる元素の解析の手法とか、
歴史上の人物とか、
そういう、いわゆる「カタイ」題材がボコボコ出てくるのがTOEFLだ。
もともと大学に留学したい人向けの試験だから、そうなるのも当たり前なんだけど・・・、
そうなると、極端な例で、
じゃあ英検5級の子がTOEFLを受けて、どれだけ意味のある数値が出てくるかっていうと、これはかなり疑問だろう。
というわけで、最低限の英語力が身についていないと、TOEFLを受けても意味がなくなってしまう。
(気軽に何度も受けられるほど受験料も安くないし・・・。)
現状では、
いまの小6あたりの子たちから、大学入試に本格的に4技能型の英語試験が導入される公算が高い。
(4技能=読み・聞き・話し・書き。)
そうすると、この子たちは、中学生の間から、フルスピードで英語力を鍛えておく、
(少なくとも現状の)高校入試のレベルだったら、これを超えていくことを最初から前提にしていくことが必要なんじゃないだろうか。
※もちろん、全員がそうすべき、というわけではない。
あくまで、勉強面で・あるいは英語一本で勝負していきたいと思っている子たち限定の話だ。
たぶん、大手の中学生向けの塾の先生たちも、戦々恐々としている方がたくさんいらっしゃると思う。
トップの子たちに関しては、
「中学生の間は、TOEFLなんて関係なく、まずはしっかりと基礎力を」とのんびり言ってもいられなくなるだろう。
少なくとも大阪は、公立高校でも、入試問題自体がTOEFLっぽくなろうとしている時でもある。
また、高校の先生たちでも、TOEFLを自分自身受けたことがない、あるいは最近になって受け始めたという方々もたくさんいらっしゃると思う。
(たしか、高校の英語の先生がTOEFLを受けるときは、受験料が優遇されるみたいな制度があった気がする。違っていたらすみません。)
「TOEFLを導入しても、指導できる教員がいない」という批判は確かにある程度は当たっていると思うけど、
生徒の子たちの将来を考えていたら、教える側はそんなこと言っていられないだろう。
ALTの先生たちも、ただ授業で生徒と英語で「触れ合う」だけでなく、
スピーキングやライティングに対してフィードバックを与えるなど、より実践的で重要な役割を担うことになるはずだ。
・・・ちょっと話がずれてしまった (・・;
ともかく、これからは、英語に関しては、中学1年生のうちから、
もう高校生になったときの英語まで見据えていくべきなのかなと思う。
(上記のように、ウェブサイトの公開をいったん停止しているのも、
この辺りをもっと詰めたいと思っているからなのです。)
内申点をキープしたり(大阪では来年から、中1・2の内申点も公立の入試では点数化される)、
他の教科もマスターしつつ、
という話だから、これはかなりの負担だが、
チャレンジのしがいがある試練だと思って頑張る子もたくさんいるだろう。
もう、英語の勉強っていうよりも、全国大会目指してひたすら練習しまくるという、
ほぼ「部活」の世界だ。
そのうち、
「いやいや、もう小学生のうちから中学レベルの英語ぐらいは終わっておかないと」という議論になるんだろうな・・・。
僕は「先生」っていう仕事の世界では若い方だと思うが、
そんな僕を含めて、英語の先生っていう仕事は、
もう自分たちの頃とは違う次元の子たちを育てるっていうつもりでやっていかないと、
やっていけなくなるんじゃないかと考えてしまう。
ただ、当然こうなると勉強についていけない子もたくさん出てくると思う。
その子たちに無理して英語をやらせるのは良い案とは思えないから、
そうすると、学校での一斉授業なんかは無理が出てくるような気もする。
そうしたなかで、
上の子をより伸ばすにしろ、ついていけない子をしっかりフォローしてあげるにしろ、
塾や家庭教師っていう、学校のしばりの無い存在の意味も増してくるだろう。
いまどき、学校と塾がいがみ合う時代でもないはずだ。
・・・好きなようにつらつら書いてしまった。
「じゃあ、TOEFLまで見据えて中学から勉強するには、どうしたらいいのか?」っていうのも、
僕の中でちょっとずつ見えてきているのだが、それはまた書きたいと思う。
今日は、超英塾は今年ラストの授業だ。
ヘトヘトになるまで音読トレーニングをする予定だけど、そのあとのお楽しみイベントもあるから、
みんな頑張ってくれるはずだ。
楽しみだな。よし。