2016年9月27日火曜日

「国民生活に関する世論調査」は案外おもしろい。


最新版の調査によると、

若い世代(18~29歳)は、実に8割以上が、

現在の生活に「満足している」 or 「まあ満足している」

らしい。(下のグラフは、内閣府のデータから。クリックすると拡大します。出典はこの記事のラストに。)








それに、これは全年代のデータだけど、

「これからは心の豊かさか、まだ物の豊かさか?」という質問に対して、

約6割もの人々が、「心の豊かさ」の方を選んでいる。



この「モノより心」という傾向は、

グラフを見れば明らかなように、長い間ずっと続いている。









こうなってくると、

「物質的な豊かさよりも、精神的な充実の方が大切で、そこそこ生活に満足している」

っていうのが、今の若者の像なのかなーという感じがしてくる。

そうなると、よく言われるように、

そりゃ高い車も買わないよね・・・ 今の所有物と生活で、すでに満足してるんだし。




実際、

「自動車、電気製品、家具などの耐久消費財の面では、どの程度満足していますか」

という質問に対して、「満足している」ときっぱり答えた割合は18~29歳が一番高い。


おそらく、それ以上の世代と比べて、所有している消費財のクオリティは高くないはずなのに、

それでも この層の満足度がかなり高い。








生徒のみんなはよく、現代文とかで「大量生産・大量消費」の時代は終わった、

みたいな文章を読んだりすると思うけど、

まさにそれに適合した世代が今の若い層、ということになるんじゃないかな。











ただし、この大前提にあるのは、日本の経済力のような気がする。

今は日本のGDPは世界3位だけど、たとえば2050年には7位にまで低下していると予想するデータもある。


そのころの日本人はどんな価値観で生きているんだろう。

今は技術革新のスピードがものすごいから、経済力よりも、そちらの方で価値観が揺さぶられまくる気もする。

「お金はあんまり稼がなくても、3Dのスカイプを使えば遠くに住んでる友達ともリアルにランチとかお茶もできるし、このヘッドセットをつければ家にいてもディズニーランドに行ったのと同じ気分にもなれる。これでもう幸せだよね。車は運転するのも危ないし、自動運転の安いタクシーで移動すればいいよ」

みたいな感じなら2050年を待たなくても、もう10,20年ぐらいで実現しているかもしれない。

こうやって、何を目的に働くのか? とか、 どうやって時間を過ごすのか?

っていうのが、どんどん変化していく時代に生きてるんだなーと思う。





まあ、どちらにせよ、英語ができたらもっと世界を楽しめるはず・・・と思って、今日も高3の授業がんばります。よし。




 
出典: 内閣府政府広報室 「国民生活に関する世論調査」の概要 (PDF)