2016年5月7日土曜日

文法でニヤリ


高2の子が、カステラをプレゼントしてくれた!



おいしかったー。生徒のみんなで美味しく食べさせてもらいました。ありがとう!









今日は、この前のsomeの話に続いて、

小説を読んでいたら登場した英語について紹介してみよう。




英語を教えていると、

「先生が言ってたやつ、めっちゃ模試に出てたで!」って言ってもらえることがあって、

これはすごく嬉しい。と、同時に、

小説のような”ガチ”の英語で

「あ、これ、文法の授業でみんなに教えたやつだ」っていうのが出てきたりして、

これもまたハッピーだ。

「知識のための知識」じゃなくて、

本当に英語で登場することを教えてるんだなーっていう自信をもてる。






本当にささいな場面だったりするんだけど、

たとえば、これ。

息子が、お母さんに「映画行きたいんだけど」ってお願いするシーン。



"Can we watch a movie tonight?" Tim asked.

"May we watch a movie tonight," Mary corrected him.




「Can we~?」ってお願いするTImを、

お母さんのMaryが「May we」でしょ、って直している。

どちらも和訳するとほぼ一緒だけど、

mayっていうのは、"上から目線"な感じがする言葉だ。

You may use my car. 

みたいにmayを使っていると、いかにも目上の人が許可を与えてやっている、って感じがする。

そのせいで、

自分から「~してもいいですか?」って尋ねるときも、

Can I~? よりも May I ~?のほうが、丁寧っていうか、へりくだってる感じがする。

「許可していただけませんか?」みたいなニュアンスだ。

日本語だと、「映画行ってええ?」って言う息子に、「行ってもいいですか、でしょ!」とお母さんがたしなめている感じに似ている。








これもおもしろい。

Anneという女性のもとに匿名の手紙が届き続けるんだけど、

それが誰から送られているのかを調査した探偵会社の人のセリフ。



"They are being sent by a Mrs Ruby Flowers."

"Who? Why?" said Anne, impatient for answers she did not want to hear.



人の名前に「a」がついている。

普通はそんなことしないんだけど、

そこにあえて「a」がついていると、まるで a personとか、a ladyとか、

そういう感じがしてくる。つまり、人名というより、「ある人」とか「ある女性」とかという方に重点がいくイメージ。

「a Mrs Ruby Flowers」なら、「Ruby Flowers」という名前そのものに注目が行くというより、

「Ruby Flowersっていう、ある人物」から手紙が届いているようですよ、という感じ。







逆に、theがついたりもする。

精神的にまいってしまって、暴言ばかり吐く奥さんについて、

旦那さんが擁護するシーン。


"She's a wonderful person. Inside, she's gentle and caring and loving. That's the Serena I know."


Serenaという人名にtheがついている。

「本当は内面ではgentleで、caringで、lovingで・・・ それこそが、私の知ってるSerenaだ

という感じが出ている。

今は調子が悪いだけで、「私が知ってる本当のSerena」、「the Serena I know」は、

それとは違うんだよという雰囲気が、このtheから伝わってくる。












こういうのは、全部、塾で使ってる文法の本に載ってる。

文法をやっていると、どうしても「細かいなー」とか「単調すぎてつまらん」とか思っちゃいがちなんだけど、

いざ英語に触れているときにその力が発揮されると、やっぱり嬉しくなる。

高校生の場合は、文法っていうと、大概は4択の穴埋め問題という感じになる(し、それは、そういうテストで文法力が計測される以上、別に悪くもなんともない)んだけど、

たまには英語の文を読みながら「あっ、これ前にやったやつだ!」と発見したりして楽しんでほしいなーと思う。よし。