2016年4月27日水曜日

Kさんと発音。



前にも書いたけど、高校1年生のとき、クラスにSさんという女子がいて、

勝手に自分のなかでライバルにしていた。

定期テストでも模試でも、とにかくSさんに勝ちたくて頑張った。

今思えば、ものすごく感謝しないといけないなと思う。

(いま探したら、この記事で書いていた☞これ )








で、テストの成績のライバルはSさんだったんだけど、

それとは別に、英語の発音がめちゃくちゃうまい、Kさんというクラスメートがいた。

なんでもKさんは、小さい頃から英会話教室に通っていたとかで、

とにかく発音がめちゃくちゃカッコよかった。

スピーチコンテストで優勝したりもしていたらしい。

こっちとしては、

自分だって英語が得意で、音読でやってきたっていうプライドがあるから、

このKさんの発音が悔しくて仕方なかった。







たとえば、英語の授業中、Kさんが先生からあてられる。

すると、Kさんは「え、アメリカ人だったっけ?」っていうぐらいのイケイケな発音で答える。

当然、どの英語の先生よりも発音がクールだった。

「くそぉー」

だから、自分があてられたときも、もうできるだけKさんに負けないように発音しようと決めた。

高校生だったから、ちょっと思春期の後半という感じで、

みんな英語の発音には照れがあったりして、

わざと日本語っぽく読んでいるような人もたくさんいた。

だけど、自分には関係ない。なにしろ、Kさんがあんなにカッコよく英語を話しているのだ。

負けるわけにいかない。

自分があてられる問題が分かったら(席順であてていく先生だった)、

もう答えの内容はどうでもいいとして、それよりも発音ばっかり小声で練習していた。

ボソボソボソボソ・・・。

結局、発音はKさんに追いつけていなかったと思うけど、それでもKさんのおかげで、

英語っぽい発音に照れるとか、そういう感情は全くないまま高校の英語生活を終えられた。










大学に入ると、今度はユーイチっていう友達ができた。

衝撃だったのは、ユーイチが

「英語って、まあ内容も大切だけど、何よりかっこよく発音すんのが大事じゃん?」っていう感じのことを言ったときだった。

「こ、こんなにストレートに『カッコいい英語の発音』について語るやつ、見たことないぞ・・・」

たしかこの発言を聞いたときは、

「いや、でも英語っていうのは、意味を伝達するためのツールに過ぎないわけだから、

 発音がめちゃくちゃでも、まあ通じりゃいんだよ」とかなんとか、

なんか悔しくて言い返した記憶があるけど、

考えれば考えるほど、ユーイチの言っていることに共感もするようになっていった。

(こいつは、今でも、会うたびに『おい、英語で話そうぜ』とか、

 『お前の発音、録音して、俺のアメリカ人の友だちに聞かせて、何て言うか実験してみよう』とか、

 いちいち発言が面白い。)









そして、海外のプログラムに参加したりするようになると、

今度は、話す相手が本物の(?)アメリカ人とかオーストラリア人とかだったりするわけで、

もはや「照れ」どころではなくて、ちゃんと発音しないとそもそも通じない、という世界に突入した。

英検なんかだと、聞き取れないときは「Pardon?」とかって言うけど、

実際には「え、ごめん、何て言った?」みたいなときは、シンプルに「Sorry?」って言うことが多い。

このときに、自分の思っていたことが確信に変わった。

高校の教室では、英語っぽく発音することは恥ずかしいかもしれないけど、

逆に、実際に英語を使う場面になれば、発音できない方が100倍恥ずかしい。








自分は今でもときどき、自分の発音を録音して、聞きなおしては「くそっ」と思って矯正したりしている。

「英語はツールだから、発音はそこそこでいい」というのは、その通りだ。

でも、せっかく英語っていう外国の文化そのものを学んでいるんだから、

どうせならかっこいい発音、しっかり通じる発音を身につけるのが筋なんじゃないかなと感じるし、

共感してくれる生徒の子にも、そういう気持ちで英語の音読とかシャドイングに取り組んでほしいなーと思う。







というわけで今日もしっかりやっていこう。よし。

新教室の写真とかもまたアップしていきます!