2014年11月14日金曜日

「高校生の塾」と受験。




たまたま見かけたグラフなんだけど・・・







この青い線が、塾に通っている子の割合を示している。




中3で59.4%だ。ってことは、中3になるとみんな半分以上が塾に通っている。

たぶん大阪は、これよりももっと高い割合になるんじゃないかと思う。






一方で、高1になると、16.5%に激減する。

・・・ちょっと減り過ぎじゃない?

中1でも36%の子が塾に通っているのに、高1になると、たったの16.5%。







でも、肌感覚っていうか、周りを見ていると、たしかにそういう感じはする。

中学生の方が盛んに塾に通っているイメージだ。

ただ、塾に通ってるってことは、

いわゆる「いい学校」に行きたいからという理由が大きいんじゃないかと思うのだが

(何が「いい学校」なのかっていう深刻な問題はひとまず置いておいて・・・)、

もしそうならば、

大学受験って、高校受験と同じく(もしかしてそれ以上に)重要だと思うんだけど、

なぜか高校生の方が塾に通っていないらしい。









僕は去年、縁があって、1年間だけ高3の子をみていた。

彼は学校で数学がほぼ0点に近いような点数をとったりしていて、

もう卒業すら危ういんじゃないってぐらいだったんだけど、

とにかく必死に勉強して(主に英語)、この4月から晴れて関大生になっている。

っていう彼が明日は一緒にビラ配りを手伝ってくれる。本当にありがたい。

合格してくれた時は泣いた。(これが、塾の先生っていう仕事の最高に幸せな瞬間の一つだと思う。)

・・・で、それはさておき、

彼は、卒業も危ういレベルだったけど、

最終的には、自分よりいい高校に行っていた友達を、ある意味、追い抜いたと思う。(この表現が適切かどうかは別にして。)







そういう例を見ていると、

「高校受験がゴールじゃなくて、高校生の間こそが勝負なんじゃないの」と思ってしまうんだけど、

この塾に通ってる子の割合を見る限り、そうでもないように見えるから不思議だ。










みんな、高校受験が終わった途端に、燃え尽きてしまうのかな・・・

「高校受験も終わったし、いったん高1は様子を見よう」っていう人が案外多いのかもしれない。

あとは中学の塾は自分の意志で通っていたわけではないとか、

あるいは、まさか最初から浪人覚悟とか・・・。

どちらにせよ不思議だ。












ところで、昨日は、韓国の修学能力試験(センター試験みたいなもの)だった。

ニュースで目にした人も多いだろう。

校門の前では後輩たちが垂れ幕をもって応援しているし、

親御さんたちは試験中、お寺で祈りをささげる。





遅刻しそうな子は、パトカーや白バイが送迎してくれるうえに、

リスニングの試験時間は、軍事訓練などもストップして、国中が静まり返る。


(写真の出典: The Huffington Post


凄まじいよね。

一大イベントなんだけど、一発の試験で人生が決まってしまうみたいなところがあるらしくて(追試験などもない)、

かなりのプレッシャーらしい。

韓国人の友達に聞いたんだけど、

幼稚園の頃から受験向けの塾に通わせたり、家庭教師を招いてスパルタ教育したりする人もいるそうだ。



こういう「一本道しかない制度」だと、

とにかくそこからズレたときの不安、ストレスが半端ないから、

このシステムは、必ずしも子どもたちの幸せと直結するわけではないだろう。

どの学校に入っても、

絶対にそこで新しい人との出会いがあって、自分なりに道を切りひらいていくことになるから、

たとえ受験に失敗したとしても、それが人生の終わりなんてことは絶対にない。

だから、別に全員が全員、一生懸命 受験を頑張らないといけないとは思わない。






受験は、いろいろな生き方があるうちの、1つの戦い方にすぎない。

他の道で生きていくなら、それはそれで100%、OKだ。

ただし、もし受験っていう道を頑張ろうって決めたんだったら、

その子は頑張った方がいいと思うし(それは野球部の子が、野球部に入ったからには甲子園を目指して頑張るのと一緒だ)、

僕の仕事はそういう子(&もちろん、純粋に英語をできるようになりたいっていう子も)をサポートすることなんだろうな、って思う。








どちらにせよ、

中学生のときにせっかく頑張ったんだったら、

それを高校で無駄にさせてしまったら、本当にもったいない。

高校でさらに進化していきたい、っていう子を応援できる塾でありたいなと思う。





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