2014年11月16日日曜日

人が機械にあわせる日



超英塾の話と、

新しい英語入試ネタ(for 中1のみんな)、TOEFLネタ、

あと雑談が入り混じって、

このブログがカオスな感じになってきている気が・・・

いつかそれぞれ分けるかもしれないけど、とりあえず現状はこのまま行きます。

今度、記事のラベルとかをちゃんと整理しよう。


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で、今回はTOEFLなんだけど、

みんな、試験って人が採点するものだって思ってるよね。

「いや、マークシートは別でしょ?」 

っていうのは、その通り。

マークシートは、あれは4択問題だったりするから、

機械でも採点ができる(というか、機械が最もミスなく採点ができて優秀だ)。




実際、大阪の高校入試でも、一時期、マークシートを導入しようかっていう議論が起きた。

(採点ミスが大量発生していることが判明したから。)

結局は人がつける方法で継続することに決まったんだけど、

東京では実験的にマークシートを導入するらしい。

(ちなみに・・・

 去年受験した子たちが、みんな「紙がツルツルして書きにくかった」と言っていた。

 大阪では、たぶん去年から、

 採点ミスをなくすために答案用紙をコピーして、

 そのコピーした用紙を複数の採点官が採点しているんだと思う。

 その大量コピーに耐えられるように紙の質が良くなったのか、

 それとも昔から紙の質は変わらないのかは謎だが(2年連続で高校受験する人はレアなので)、

 とにかくコピーしても読み取れる字で書くことが大切みたいだ。

 ただし「ツルツルしていて、消しゴムで消そうとしてもうまく消えなかった」という声も聞いたので、

 筆圧が強すぎるっていうのも問題かもしれない。

 ※この辺りは推測です。正確な情報を知っている人がいたら教えてください。)









・・・で、ちょっと話を戻して・・・

「さすがに機械が採点するって言っても、マークシートみたいな選択肢の問題だけだよね」と思っていたら、実は大間違いだ。

ここで、TOEFLの話。

TOEFLのライティングは、1つのエッセイにつき、2人が5点満点で採点するんだけど、

その「2人」っていうのが、1人は人間、1人(?)はコンピュータなのだ。

つまり、人間の採点と、コンピュータの採点、これを合わせて、採点される。

e-raterっていう、TOEFLのライティング採点専用のシステムが開発されていて、

実際の試験で導入されている。

(実施側からすれば、人間の採点者を半分に減らせてコストダウンができる。)








案外、これを知らない人が多いんだけど、かなりすごいことだと思う。

当然、スペルミスとか文法ミス、語彙の多様性なんかを判定するには、コンピュータの方が数段優れているだろう。

それに、エッセイでよく出てくる表現、レベルの高い表現を豊富に使えているかどうかとか、

そのあたりまで判定できるらしい。

実際、アジア圏の熱心な受験生のなかには、

このe-raterから評価が高くなるような文章を丸覚えして打ち込むという猛者もかなりいるみたいだ。

(TOEFLのOfficial Guide、つまり公式問題集に、

 「丸覚えするな、そんなのは採点者にすぐバレる」みたいなことが書かれているのも、

 たぶんそういう事情なんだと思う。)






もちろん内容の適切さとかは人が評価してくれるわけだけど、

それでも、全体の採点のうち、半分近くはコンピュータによってなされている。

そして、こうなると、上に書いたように、

このコンピュータというか「システムの側に人間が合わせて」

対策するような人たちも当然出てくる。

つまり、人を感動させたり関心させるような文章よりも、

システムのアルゴリズム・設計にいかに沿った文章を書けるか、の方が

高く評価される時代が来ているともいえるかもしれない。










前に、自動翻訳機の登場で英語の先生は仕事がなくなるかも?みたいな話を書いたけど、

コンピュータの進化はとまらない。

TOEFLではそのうちスピーキングの試験も機械によって評価されるようになるだろう(実際に開発されている)し、

そうなると「書く」「話す」を含めた4技能の英語試験は格段にコストも採点時間も縮小されるから、

一気に日本でも導入が進むかもしれない。

(ここまで行くにはまだ10年強ぐらいはかかるだろうけど。)







「機械には創造的な仕事は無理」という意見は根強いし、僕も感情的にはすごく賛成したい。

けど一方で、「創造」を、

「いま存在している、既存のアイデアを新しく組み合わせること」ととらえれば、

そういう試行錯誤を超速でできるコンピュータこそ、

もしかして最も創造性に近いのかもしれない。









正直怖いけど、進んだ技術を戻すことはできないから、

それを受け入れて人間側が新しい生き方を模索していくことになるんだろうと思う。

機械と人間で計算速度を競っても仕方ないしね。

機械に負けない(というか、機械自身には味わうことのできない)分野で楽しく戦って生きていきたい。







・・・というわけで、とりあえずTOEFLを受けるときは、

スペルミスや文法ミスは100%の確率で発見されるので、気をつけよう。

まあ、いまどきスペルミスなんて、

入力してたらパソコンとかスマホがすぐ指摘してくれる時代なんだから、

試験のときもスペルチェック機能ぐらい導入してもいいじゃん、ケチケチせずに。という気さえするけど・・・

そうしたら、さすがに英語の試験にならないか・・・。