2014年11月24日月曜日

長文、そして、世界について知っているか。



英語のいわゆる「長文」に限らずなんだけど、

なにか文章を読むときに、

その子がすらすらと「読める」かどうかは、

★語彙があるか(いわゆるボキャブラリー、単語力。とりあえず「熟語」とかもここに含めておこう)

とか

★文法を理解しているか

がポイントだと一般には考えられていると思う。







だけど、僕が知っている調査によると、それだけじゃなくて、

★背景知識があるかどうか

もけっこう影響を与えることがわかっている。

一応、英語の試験って、どんな試験でも「特別な背景知識は不要」っていうスタンスをとるんだけど、

でもこの世界の出来事をテーマとして扱う以上、

どうしても最低限の背景知識はあった方がいい。






たとえば、

地球温暖化について知らない子が

「実は、二酸化炭素は、地球温暖化の原因ではないという説がある」という文章を読んだとする。

この文章を理解するには、

まず「一般的には、二酸化炭素が地球温暖化の原因として考えられている」っていう

前提を知っていないとキツイだろう。

そもそも「地球温暖化って?」というレベルだったら、

一文一文を「和訳する」ことはできたとしても、文章を「分かる」ことはない。

まして、

「二酸化炭素よりも、メタンの方が温暖化にとってはまずい」と言われたときに、

「え、メタン?それ、ポケモンのキャラ?」という感じだと、もう文章の途中で力尽きてしまうだろう。

(僕もメタンについて全く詳しくはないけど・・・。)








これを、背景知識といったり、物事を理解するときの枠組み(フレームワーク)と呼んだり、

まあ呼び方は自由だけど、

とにかくそういう知識があった方が有利なのは間違いない。










この前、高1のみんなの授業で扱った長文に、

「風邪」の話が出てきた。

なぜ人はウィルスに感染したときに、セキやクシャミをするのか。

簡単に言うと、

人間の体としてはウィルスを外に出そうとしていて、

逆にウィルスとしてはバシバシと拡散できるように人間にクシャミしてもらった方が好都合で・・・

みたいな話なのだが、

こういうちょっとした知識を知っていると、

「風邪薬を飲むと、セキやクシャミが出なくなって楽にはなるが、

それは人体のウィルスと戦う機能を止めてしまっているようなものだから、

実際の風邪の治りは遅くなってしまう」みたいなことが簡単に理解できるようになるだろう。









本当は、もっともっと背景知識を強化する時間をとってあげたいんだけど、

少なくとも高1の間は、強化すべき英語の基礎部分が多すぎて、なかなかその時間をとってあげられない。

でも、こういう興味深い英文で一緒にトレーニングすると、

英語力だけじゃなくて、自動的に背景知識も身について、一石二鳥だ。

こういうところは、

単語と例文しか載っていない単語帳では得られない利点だなあと、本当に感じる。

(※もちろんそういう単語帳にも、別の効用がちゃんとある。それは別の機会に。)









ま、あとは、こういう知識は知るだけで単純に楽しいし、

社会に出てからも突然役立ったりするから、そういう貢献もできていると嬉しい。








そろそろ期末テストの時期だけど、

学校のテストで出てくる英文法だけじゃなくて

(英文法だけでは入試は制覇できない ・・; )、

そういう「使える背景知識」もしっかり教えていってあげたいなと思う。





※とはいえ明日の授業は英文法バリバリでいくので、

みんな気を抜かないで来るようにね。(笑)

授業で言ってるように、高1の間に面倒な英文法をマスターするのがベスト!